みなさんは普段ミュージックビデオを観ますか?
おそらく、好んでミュージックビデオを観る方でも、どのように撮影されたものなのかを考えて観る機会は少ないと
思います。
しかし、どのような方法や画角で撮影されたのかということに注目して見ると、普段何気なく見ているミュージックビデオでも、違った魅力に気づく事ができます。
今回は、撮影でドローンが使われたミュージックビデオについて紹介していきます。
もしかしたら、皆さんが見たことのある作品もあるかもしれません。是非、最後までお読みください!

高橋優 『HIGH FIVE』

高橋優さんは秋田県出身のシンガーソングライターです。
この作品は2022年2月25日に公開され、『侍たちの栄光〜野球日本代表 金メダルへの8か月〜』というNHKの番組のテーマ曲となっています。

作品自体は、高橋さんが河川敷を一人で歩くというシンプルな構図ですが、ドローンの撮影によって様々な工夫が施されています。
まずは、1分15秒からそれまで高橋さんの横を並走するように動いていたドローンが一気に上昇し、高橋さんの周りを一周する引きの画になります。
場所を変えずとも、カメラワークによって映像の印象を一瞬にして変えることができるのもドローンの魅力ですね。

そして、3分36秒でそれまで動いていたドローンがピタリと止まります。ドローンでの撮影は速さや臨場感、滑らかな動きに注目されがちですが、この作品では止まることが良いアクセントになっています。

櫻坂46『Buddies』

櫻坂46の1stシングル『Nobody’s fault』に収録されているカップリング曲です。
東京の街並みやビルの上で撮影された作品で都会的な印象を受けます。

この作品の1番の見どころは、ドローンがモード学園コクーンタワーを急降下し、メンバーの立っているビルの屋上まで勢いよく移動するシーンです。通常のカメラにはできないスピード感と迫力になっています。
また、終盤の4分52秒でドローンが一気に上昇。夕日に照らされた東京の街並みが映し出されとてもきれいです。

他にもドローンを使って撮影されたシーンがあるので探してみてください。

STU48 『風を待つ』

STU48 2ndシングルの表題曲となっている作品です。撮影地は坂道や石段が多い坂の街として有名な広島県尾道市。ドローンを使用した空撮による1カット撮影です。
メンバーが尾道の石段を100段以上登るなど大掛かりな撮影であったため、2日間にわたり全10テイクも重ねたそうです。

この作品は風景の美しさを存分に楽しむことができます。
1分00秒から紅葉の木々の上をドローンが通過します。最後には尾道全体の風景が一望できるような画角で撮影されています。これらのシーンを含め、普段地上では見ることのできない画角から綺麗な風景を楽しむことができます。

また、1カット撮影ですが、カメラワークにしっかりと変化をもたせているところもこの作品の素晴らしいところです。メンバーの表情がよく見えるように正面から撮ったり、全体のダンスの美しさを魅せるために真上から撮影したりと、観ていて飽きることのないカメラワークは必見です。

SUPER BEAVER 『グラデーション』

この作品は、『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』 主題歌にも起用され、大きな話題を生んでいます。
1分42秒からの歌詞 “傷つけるとわかって口にした言葉 そんなつもりなかった じゃあどんなつもりだった?”の部分のvocal渋谷による叫びながらの問いかけ後、曲タイトルが表示され間奏に移ってから、ドローンを使った疾走感のある映像が複数回流れます。
また、間奏時にフィーチャーされるドラムやギター演奏者を、スピード感をもって映すことで、より情熱的な印象を与えています。
加えて、大サビの盛り上がりが最高潮に達する場面でもドローン映像が差し込まれます。

引きの視点から見ると、広々としたスタジオ、演者間の距離はドローン撮影に適しているといえます。曲に合わせて定点カメラと使い分けをしているのもポイントです。

AK-69 『Ride Wit Us』

この作品は、ABEMAで放送される『ABEMA大相撲LIVE』の公式テーマソングになっています。

冒頭から夜の道路を数十台のローライダーが走っていく様子がとてもかっこいい作品です。この道路は名古屋市内の公道で、おそらく時間や撮影範囲など厳しい制限があったのではないかと考えられます。難しい飛行環境にもかかわらず、安定した飛行で技術力の高さが感じられます。

また、名古屋「栄」のシンボル的な存在である中部電力MIRAITOWERにかなり接近して撮影しているのも迫力があり見どころです。

 

OK Go  『I Won’t let you down』

これまで国内の作品を見てきましたが、次は海外のクリエイターによる映像作品をご紹介します。
OK Goは、アメリカで1999年に結成されたバンドです。
2007年には『here it goes again』でグラミー賞(Best Short Form Music Video)を受賞していることから、当時から凝ったMV作品を作っていることが分かります。

『I Won’t let you down』という曲は8年前に投稿されましたが、大人数が集団でアニメーションを生み出す”マスゲーム”風の動画となっていて、その様子がドローンを使って上空から撮影されています。
曲の最後には雲の上からの空撮動画も撮影されています。

動画は4891万再生を記録し、日本語も度々出てくることから、日本人の皆さんも親しみやすい作品だと思います。

 

LE SSERAFIM 『UNFORGIVEN』

今、日本でも絶大な人気を誇るガールズグループの最近公開されたMVにもドローンが使われています。

冒頭に大きくタイトルが表示された後、レストランのような建物にドローンが入っていきます。シェルフの小さな隙間や、カウンターの上など決して広いとは言えない室内をスムーズに撮影しています。

使用しているドローンは、室内飛行に適した小型のマイクロドローンと推測されます。

 

今回はドローンを使って撮影されたMVを紹介しました!
ドローンはスポーツや風景を撮影するイメージが強いですが、MVにも多く使用されていることがわかりますね。

これからMVの制作に関わりたい方は、普通のカメラだけではなくドローンの技術も身につけると、音楽業界で仕事をするうえで役に立つ日が来るかもしれません。

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