ドローンの操縦が上達していくと、やりたいことがたくさん出てくると思います。特にドローンでの空撮がメインの方にとっては、夜間でのドローン空撮もその内の1つだと思います。
明るい時間帯では何の変哲もない場所でも、夜間になるとライトアップされたり、花火が打ち上げられたりと夜ならではの景色を見ることができる場所があります。

そのような場所にドローンで近づいて撮影するなんて考えるだけで興奮される方もいらっしゃるのではないでしょうか?同じ場所でも2種類の映像が撮れ、創作の幅が広がることから、夜間の都市部のビル群や花火をドローンで空撮したいと考えている方も大勢いらっしゃると思います。

では、どうやって夜間飛行に挑戦していけば良いのか、紹介していきます。

夜間飛行はできるのか

夜間飛行に関する法律は航空法で定められており、夜間飛行は“原則”禁止となっていますが、夜間にドローンで空撮した映像は実際にあります。
つまり、指定の手続きを行えば、合法的に夜間飛行することができるのです。

具体的な方法

ドローンで夜間飛行するには、飛行承認申請が不可欠です。
承認申請には、「包括申請」と「個別申請」がありますが、夜間飛行の飛行申請は「個別申請」のみ可能です。複数の飛行計画や機体を1度に申請できる「包括申請」ではなく、一つ一つを「個別申請」する必要があります。

そして、飛行申請には、申請書と飛行マニュアルの二つの提出が必要です。

標準マニュアルについて

飛行マニュアルには「標準マニュアル」という、国交相があらかじめ用意したマニュアルがあります。それに沿って飛行するのであれば、申請事項を一部省略することが可能です。

国交相の無人航空機飛行マニュアル(標準マニュアル)の夜間飛行の項

3-3
・夜間飛行を行う際の体制・夜間飛行においては、目視外飛行は実施せず、機体の向きを視認できる灯火が装備された機体を使用し、機体の灯火が容易に認識できる範囲内での飛行に限定する。 
・飛行高度と同じ距離の半径の範囲内に第三者が存在しない状況でのみ飛行を実施する。
・操縦者は、夜間飛行の訓練を修了した者に限る。 
・補助者についても、飛行させている無人航空機の特性を十分理解させておくこと。 
・夜間の離発着場所において車のヘッドライトや撮影用照明機材等で機体離発着場所に十分な照明を確保する。

〈出典:国土交通省/無人航空機 飛行マニュアルhttps://www.mlit.go.jp/common/001218180.pdf

とあります。

気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、標準マニュアルでは、【目視外飛行】は実施しない旨の記載があります。つまり、夜間飛行でFPVをするためには標準マニュアルをそのまま使用することができないのです。では、どうすれば良いのでしょうか?

独自マニュアルについて

上記でドローンの飛行申請には申請書と飛行マニュアルの提出が必要であると述べましたが、実は飛行マニュアルに関しては、標準マニュアルでなくても良いのです。
夜間飛行でFPVを飛ばすには「独自マニュアル」を作成し提出する必要があります。

独自マニュアルとは、飛行したい環境や機体で飛ばすために各人で作成した飛行マニュアルのことです。

標準マニュアルと異なり、各自で作成する必要があります。
作り慣れていない人の場合、不備があった場合は修正して再度提出を求められることがあります。案件では、申請を完了するのが遅れてしまうとクライアントに迷惑がかかることもあるため、独自マニュアルの作成を専門家へ依頼するのが賢明でしょう。

夜間飛行時に必要なもの

夜間飛行では、昼間に飛行する時には必要でなかった道具が必要になることがあります。
以下では夜間飛行で必要となると思われる道具を紹介します。

機体の向きを視認できる灯火が装備された機体

夜間では、ドローンが上空で飛行していることが、関係者・第三者ともに非常にわかりにくいです。すると、接近や墜落の時に回避するのが難しく、いざという時の安全性が脅かされてしまいます。

そこで機体に灯火のライトを付ける必要があります。機体によっては始めから機体にライトが装備されているものもありますが、場合によってはご自身で装備させる必要がある場合もあります。FPVドローンはほとんどの場合後から付けなければなりません。

以下ではFPVドローン用ライトのおすすめ販売サイトを載せておきます。
HELIMONSTER HP
https://helimonster.jp/?mode=cate&cbid=1263519&csid=41

車のヘッドライトや撮影用照明機材等、機体離発着場所での十分な照明

FPVパイロットにとって、夜間飛行で一番怖いのは着陸の場所がわからなくなることです。着陸の場所が認識できないと着陸予定の場所ではない所へ着陸したり、人や物件を避けることができずに不慮の事故が起こる可能性が非常に高くなってしまいます。

そのような事態を避けるため、離発着場所には目印となるような照明を焚いておく必要があります。車やバイク等のヘッドライトや撮影に使う強い発光をする機材などがオススメです。
撮影場所やご自身の都合に応じて準備しておきましょう。

夜間飛行で撮ることのできるオススメのもの

花火

弊社パイロットが撮影した動画のように、花火の映像を普通では撮ることのできない臨場感のある画角から収めることができます。

祭り

テレビなどメディアの定点カメラや個人のスマホやカメラなどで撮影した通常の映像はよく目にすると思いますが、祭りのドローン映像はまだ目新しいかと思います。
イベント上空はお客さんがたくさん行き交うということもあり、条件はかなり厳しいのですが、将来的に安全性が増して実例も増えてくれば、今後撮りやすくなっていくイベントの1つでしょう。

ビル群

レベル4飛行が将来的に充実していくと撮りやすくなっていくとは思いますが、現状はかなり難しいです。レベル4飛行とは、「有人地帯での目視外飛行」のことで、制度上は2022年12月に解禁されたものの、法整備や機体システムの未発達から本格的な活用には至っていません。将来のレベル4飛行に向けて、今できる準備を進めていくことが大事かもしれません。

最後に

いかがでしょうか。夜間に変わるだけで様々な準備が必要だと感じたのではないでしょうか?

特にFPVドローンに関しては、目で直接見る視界ではなく、通常よりはっきり見えないゴーグルの中の映像で状況を判断しなければならないため、より慎重に道具や環境を選ぶ必要があります。

道具ももちろんですが、夜間飛行ではより高度な操縦技術も必要になってくるでしょう。操縦技術向上に苦戦をしている方は是非弊社のスクールを活用してみてくださいね。
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