FPVドローンを使って撮影した映像をBGMをつけて公開する際にも、気を付けなければならないのが「音楽の著作権」についてです。
私的利用、商用利用、SNSでの公開、動画投稿サイトYoutubeでの公開、などケースごとに使用法、注意事項が異なるため、じっくり解説していきます。
音楽を使用するための前提知識
著作権法の遵守
著作権を簡単にいうと、他人の著作物を無断で使用しないようにしましょうというルールです。使用するためには著作権者から許諾を得るか、ライセンス契約を結ぶ必要があります。
映像制作の場合、著作権の中では、映像と音源を同期させて使用する「シンクロ権」が密接に関わってきます。
JASRAC(日本音楽著作権協会)の規則に従う
日本の楽曲の大部分はJASRAC(日本音楽著作権協会)が管理しています。JASRACに加盟されている著作権者の音楽を使用する場合は、JASRACの利用申請手続きに従いましょう。
JASRACが指定する使用料の支払い方法や期限があるので、必ず遵守しましょう。
著作権フリーの音源を利用する
著作権フリーの音楽は、著作権が放棄されているため許諾や使用料の問題はありません。
ただし、著作権フリーの音楽を利用する際にも、サイトごとのライセンス条件や利用範囲に留意しましょう。
ロイヤリティフリーの音源を利用する
ロイヤリティーフリーとは、作者の著作権は維持したまま、一度定額のライセンス料を支払うことにより音源を使うことができる仕組みです。定額制(サブスクリプション)方式と、1曲ごとに値段を支払う方式があります。
今回は定額制プランの比較を行います。
ロイヤリティフリー音源サイト(日本)
日本のロイヤルフリー音源サイトでは、Audiostockが有名です。
94万を超える楽曲を、最も安いプランだと月550円で利用でき、他にも月2,200円、月22,000円のプランが利用可能です。また全ての作品が商用利用可能です。
ロイヤリティーフリー音源サイト(海外)
海外のロイヤリティフリー音源サイトではenvato elementst、Artlist、MUSICBED、Epidemic Soundなどがあります。
2023年現在の情報で、4つのサイトそれぞれの最安プラン、楽曲数を簡単に比較しました。
envato elementsは月16.5$のプランがあり、商用利用も可能です。
Artlistは145,000もの楽曲が月9.90$からプランがあり、39ドルから商用利用が可能です。
Musicbedは2万曲以上の楽曲があり、個人向けの最安値が月29.9$のプランです。ビジネス用を利用する際には公式サイトから業種や利用目的、会社・チームの規模に応じて入力し、値段を確認しましょう。
Epidemic Soundは4万曲以上が利用でき、個人用が12$、商用が19.9$となっています。
各種SNS、動画投稿プラットフォームにおける音楽利用ルール
次に日本で利用者の多い4つのSNSサイトのルールについて見ていきましょう。
Youtubeに投稿する
Youtubeにて他人の作成した音源を無断で利用すると、著作権侵害となります。
必ず、著作権フリー音源、自分で作成、配信した音楽・音声、定額を支払ってライセンスを取得した音源等を使用するようにしましょう。
Instagram(Facebook)に投稿する
Instagramは音楽の著作権管理団体と契約を結んでいるため、アプリ内のミュージックライブラリに収録されている楽曲は、個人利用であれば利用可能です。商用利用の場合はFacebookのサウンドコレクションを利用することで、商用利用も可能です。
Tiktokに投稿する
TiktokもInstagramと似ていて、JASRACとパートナーシップ協定を結んでいるため、個人利用でアプリ内のリスト内の音楽を使用する場合は利用可能です。ビジネスアカウントでの商用利用については、アカウントを切り替えることで使用できる楽曲数は減少しますが、一部の音源が利用可能となっています。
Twitterに投稿する
Twitterは、JASRACとの契約を結んでいないので、Youtubeと同様で、基本的に著作権フリーまたは著作者自身による投稿、定額ライセンスを取得した音楽を使用するようにしましょう。
ただ、Youtube動画をリンクとともに埋め込む形での投稿は基本的に問題ありません。
おわりに
今回は音楽ライセンスについて、解説していきました。
FPVドローンの技術を向上させ、「クールな、美しい映像が撮れた!」と思った時でも、著作権違反をして動画をアップロードしてしまうと、後に削除しなくてはならなくなる、または罪を問われることがあり、せっかくの作品が台無しとなってしまいます。
しっかりと各プラットフォームごとのルールを確認した上で、著作権フリーまたはロイヤリティフリーの音源、またはアプリ内のライブラリ登録曲を使用するようにしましょう。