2021年に開催された東京オリンピックで用いられたことで話題となった、ドローンショーを覚えていますか?
それまでにもドローンショーは世界各地で行われていましたが、
国際的なイベントでのショーということもあり、大変話題となりました。
そこで今回のコラムでは、オリンピックのドローンショーについてご紹介いたします。
普通のドローンとの違いについてもご説明いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
東京オリンピックで話題になったドローンショーとは
東京オリンピックで話題になったドローンショーは、ニュースでも報じられたように、
インテル社によって企画運営が行われたショーでした。
1824台にも及ぶShooting StarのPREMIUM DRONESが投入され、
空中に多種多様な模様やデザイン、文字などを描き出しました。
ドローンを使用した演出にすることで、主催者のイメージやアイデアを具現化させてアピールすることができます。
また、ドローンは人が乗らない機体なので、事故を起こすリスクが極めて低く、
コンピュータによる制御に不具合が無ければ安全に操縦を行うことが可能です。
実際に東京オリンピックでのショーでは特にトラブルが起きることなく、
最後まで安全に飛行することができました。
むしろその幻想的な光景と制御の取れた近未来的なパフォーマンスは、
人々の心にとりわけ特別な記憶を残すことに成功したといえるでしょう。
オリンピックのドローンショー
ここからは、東京オリンピックでのドローンショーについて、さらに詳しくご紹介していきます。
まず上記の映像が、実際に行われたドローンショーの映像です。
膨大な数のドローンが空中を飛び交いながら、文字やデザインなどを描き出している様子がよく分かります。
映像では少し分かりにくいかもしれませんが、実際には人の大きさよりも遥かに巨大なアートに仕上がっています。
ショー用のドローンとは?
東京オリンピックの場合に限らず、ショー用のドローンは一機毎にパイロットがいるわけではありません。
ドローンの動きは専用のアルゴリズムによってプログラミング制御されており、
全てまとめてコントロールされています。
本番では、最適な配置取りができるように準備してから、ドローンを飛行させるという流れになっています。
本番では無線によって制御を行うため、作業自体は非常にシンプルです。
つまりは作業のほとんどが、当日までのプログラミングにかかっていると言っても過言ではありません。
それよりも当日の重要な作業は、ドローンが正常にGPSを受信できているかの確認を常に行い、
同時にバッテリー残量も確認しながら、途中でバッテリーが切れないようにすることです。
実際にとあるイベントのドローンショーでは、本番中に無線が切れてしまい、
ドローンの制御が不能になってしまった事案がありました。
そのため、ドローンショーの運営会社は、全体管理能力が重要になっているのです。
ドローンショーを実施する方法
ここでは、東京オリンピックで行われたドローンショーを基準にご説明します。
この時に使用されたShooting StarのPREMIUMというドローンは、重量が340gありました。
つまり、航空法の適用内になるため、飛行させるには許可を申請したり、航空法の規定に基づく必要があります。
さらに、重要なことは本番の条件・環境・天候に耐えられる性能を持ち合わせたドローンを選ぶことです。
ドローンは機体によって最大風圧抵抗・飛行時間・重量などが異なります。
そのため、会場での風速や想定飛行時間などを考慮して、機体を選ぶ必要もあります。
特に推定パフォーマンス時間分、バッテリーが耐えられるか否かは重要なポイントです。
東京オリンピックの場合、ドローンの飛行可能時間は約11分であったため、
映像のようなパフォーマンス時間までが限界だったと考えられています。
あの時間以上のパフォーマンスを実現するにはバッテリーの交換、
もしくは機体の交換が必要になるため、現実的ではありません。
また、東京オリンピックのように大規模なドローンショーの場合、
大規模なチームがドローンを操縦している様子を想像するかもしれませんが、
実際は1人でショーをコントロールしていました。
ショーの前に飛行プログラムを設計し、当日はソフトウェアによって各ドローンのバッテリー耐久時間、
GPSの状態などを確認しながら数千台のドローンを操縦していました。
飛行プログラムでは、各ドローンが衝突しないような軌道を計算し、
模様などを自動的にカスタマイズすることが可能です。
このようなドローンショーのカスタマイズは、数週間で準備することができます。
進化するドローンショー
既に世界中で開催されているドローンショーは、2022年だけで少なくとも600回以上は開催されています。
それと同時に飛行できる機体数も増え続けており、
例えばロシアの会社では約3000機のドローンを制御することが可能です。
また、ドローンショーと同じシステムを利用して、再建イメージを再現する試みも行っています。
建設中であったり、一部分が欠損してしまったりしている建物の近くでドローンを飛ばし、
再建イメージを共有するというものです。
このように、ドローンはこれからもさまざまな可能性が期待されています。
まとめ
今回のコラムでは、オリンピックのドローンショーについてご紹介しましたが、参考になりましたか?
東京オリンピックでは既に素晴らしいパフォーマンスが披露されていましたが、
まだドローンの可能性は始まったばかりと言っても過言ではありません。
ドローンショーの発展には期待が高まるばかりであるため、これからも私たちを楽しませてくれるでしょう。