はじめに

アクロバティックな映像に惹かれ、FPVドローンの存在を知った時、きっとFPVドローンをやってみたいと考える人が多いと思います。

まずはシミュレーターで練習して感覚を掴み、無線免許を取得、機体を購入して登録し、開局申請を終えて次に待っているもの…それは機体の設定です。

FPVドローンに関して言えば、飛ばす本体であるドローンのほかに、それを操作するためのプロポ、ドローンのFPVカメラからの映像を見るためのゴーグルの大きく分けて3つのツールが必要です。

これら3つが正しく接続し、自由自在にドローンを飛ばすためには、それぞれがきちんとした設定の上で成り立っている必要があります。様々な設定の中で、今回はBetaflight Configuratorというソフトウェアで行う設定について綴っていこうと思います。

Betaflightとは

Betaflight Configuratorは、オープンソースのFPVドローン用設定ツールで、フライトコントローラーの調整やカスタマイズを行います。PIDチューニングやフライトモードの設定、OSD表示などが可能です。

主な機能について具体的に見ていきましょう。

フライトコントローラーの設定

ドローンの部品の中でも最も重要で、機体を制御する「脳」の役割を果たすのがフライトコントローラーです。Betaflight configuratorを使い、機体の水平のキャリブレーションをはじめ、機体のハードウェア構成やモーターの設定、受信機の割り当て、フライトモードの設定など、ドローンのフライトに関連する様々な設定を行うことができます。

PIDチューニング

飛行時の安定性やスティック入力に対する反応速度を調整するために、PID制御のパラメーターを調整します。これにより、操縦性をカスタマイズしてより滑らかな飛行を実現できます。

PIDで設定する項目は、P(比例)、I(積分)、D(微分)の3つで、Pは応答性、Iは安定性、Dは振動の抑制に影響を与えます。設定の際には実際に飛行させて動きを確認する必要があります。
ただ、この機能は複雑な微調整が必要なので、初心者は基本あまりいじらず、変更する際にも使い慣れた人の数値を参考にすることをオススメします。

フライトモードの設定

機体のフライトモードやそれを変更するためのプロポスイッチの割り当てを変更することができます。

FPVドローンには様々なフライトモードがあります。スタビライズモード(Angleモード)では、機体が自動的に水平を保ちます。ホライゾンモードでは、一部の自動安定化機能がオフになり、より自由な飛行が可能です。アクロモードでは、完全なマニュアル制御が可能で、操縦者のスキルによって機体を自由に操作できます。FPVドローンでは、多くの場合、アクロモードで飛行するため、細かくアクロバティックな操縦が可能となります。

バッテリーの状態確認

バッテリーの電圧や消費電流などを監視することで、バッテリーの状態を把握し、安全な飛行をサポートします。

OSD(On-Screen Display)

Betaflightには、フライトコントローラーに接続されたビデオトランスミッターやカメラからの情報をリアルタイムに表示するOSD機能が組み込まれています。パイロットは、飛行中に機体のバッテリー残量、高度、速度などの重要なデータを画面上に表示することができます。これらを表示することにより、FPVドローンのカメラ映像からだけでは知ることのできない情報を得られ、より安全に飛行することが可能となります。

ブラシレスモーターサポート

Betaflightは、ブラシレスモーターを搭載したドローンにも対応しています。ブラシレスモーターは、効率的な動力を提供し、飛行性能を向上させることができます。

〈ブラシレスモーターとは…ブラシ、コミューターなどの機械的な接点が無いモーターのこと。磁気センサを搭載したモーターを、ドライバ回路によって制御することで回転させている。普通のモーターと比べてメンテナンスの必要がなく、安定した回転を維持しやすいため、ドローンのモーターに適している。FPVドローンではこれ以外のモーターを筆者は見たことがありません〉

ブラックボックスログ

飛行中のデータを記録することで、不具合のトラブルシューティングや飛行パフォーマンスの改善に役立ちます。

ビープ設定

Betaflightには、機体の状態に応じてビープ音を設定する機能があります。バッテリー残量が低下した際に『ピーピー』という音でパイロットに警告を与えます。これにより、視覚的な情報だけでなく、音による情報も得ることができるため、安全性の向上を助けてくれるでしょう。特にFPVドローンの場合は機体のカメラからの視野角のみで操縦するため、墜落した際に機体の行方が分からなくなってしまうことが多々あります。2023年7月現在、フレームがカーボン製の黒色であることがほとんどのため、自然の中に溶け込んでしまって非常に探しにくいです。そういった場合でもこのビープ設定は非常に役に立ちます。FPVドローンをBetaflightで設定する際には、このビープ設定をしておくことをお勧めします。

市販ドローンとの互換性

Betaflightは、様々な市販ドローンやフライトコントローラーに対して広範な互換性を持っています。これにより、市販のドローンにBetaflightをインストールしてカスタマイズすることができます。

まとめ

いかがでしたか?Betaflight ConfiguratorがFPVドローンを使うにあたってなくてはならないソフトウェアだとお分かりいただけたかと思います。機体に不具合が出た際に、自分で原因を解明し、対処するためにも役立つツールです。

詳しい操作方法などは弊スクールでも解説していますので、気軽にアポイントメントをどうぞ。

Betaflight Configurator最新版ダウンロードページ

https://github.com/betaflight/betaflight-configurator/releases

弊スクールHP

https://mugenlabo.com/lp1/?gclid=Cj0KCQjw7uSkBhDGARIsAMCZNJuBEf1FqUoLdnkryoUr_3rTixFHq9YMKNRVqlVA2tb6Q_6FZd6-lgcaAhRlEALw_wcB

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