シミュレーターなどでFPVドローンをしっかりと練習した上で、実機練習へと移行する時、皆さんの多くが持ってしまうある悩みがあります。

「一体どこでFPVドローンを飛ばしたら良いの?」

FPVドローンには部屋で飛ばす小型の物がありますが、やはりのびのびと屋外用の機体を飛ばしたいものです。これからFPVドローンを飛ばそうと考えている方は、是非この記事を参考にしてみてください。FPVドローンだけでなく、目視ドローンの実機練習場探索としても参考になると思います。

1.ドローンを飛ばせる(許可申請が不要な)場所は?

日本ではドローンを飛ばせる場所が限られており、その範囲内で安全に飛行しなければなりません。
代表的な例を3つ挙げます。

①私有地の屋内

私有地であれば屋外でも自由に飛ばせるのでは?と疑問に思う方もいるでしょう。しかし、これは間違いです。
飛ばす場所がDID(後で詳しく説明いたします。)内にあれば許可が必要です。近所の物件と十分な距離がなければ国土交通省の承認が必要です。他にもプライバシー権などの民法が関わってくる場合があるので、ドローンの飛行は非常に制限されると考えられます。しかし、私有地の屋内であれば第三者や第三者物件にぶつかったり落ちたりすることがないため自由な飛行が可能です。

②第三者や第三者物件(車や看板などの物も含む)から十分に(30m以上)離れた場所

①の内容と被りますが、第三者や第三者物件にぶつけたり落ちたりしてはいけないので十分に離れた場所で飛ばす必要があります。ただし、関係者としての人や関係する物件からの距離に関しては十分に離れてなくても除外されることがあります。だからとはいえ、人や物へわざと衝突させるような飛行は絶対にやめましょう。

③ドローン練習場

値段はかかってしまいますが、比較的人口が集中している地区の近辺にあることが多いので利用しやすいと思います。
最近では全国各地に増えてきているので、比較的足を運びやすいでしょう。
FPVドローンスクールでは、提携している練習場での屋外講習があるので、技術を教わりながらより効果的にドローンを飛ばす練習ができます!


2.ドローンを飛ばしてはいけない(許可申請が必要な)場所は?

ドローンの飛行場所に関する法律は大きく2つあります。

航空法と小型無人機等飛行禁止法です。

I.「ドローンにおける航空法について」

100g以上の無人航空機の飛行に関する法律(国土交通省が所管)です。

航空法では、大きく3つの空域の飛行に許可が必要です。


①空港などの周辺の空域

当然ですが、空港は飛行機が頻繁に離着陸する施設です。飛行機が大勢飛び交う中、空港でドローンが自由気ままに飛んでいるのは飛行機の安全な航行の妨げになってしまいます。無人機であるドローンよりも有人機である飛行機の安全の方を確保するのは当然ですので、ドローンは飛行機の飛行する空域以外の場所を飛行させる必要があります。飛行機の安全な離着陸や飛行、経路を確保するために定められた範囲を示すものに『表面』と呼ばれる境界があります。

例として、

・進入表面

・水平表面

・転移表面

・円錐表面

などがあります。ドローンはこれらの表面の範囲より外側で飛ばさなければなりません。それぞれの詳細はここでは省きますが、空港周辺を飛ばそうと考えている方は是非一度詳細を調べることをお勧めします。


②地表または水面から150m以上の高さの空域

なぜ150m以上なのでしょうか?

実は、この150mというのは飛行機が降下してくる可能性がある最低限の高さです。そのため、飛行機の安全な航行を妨害しないようにこの高さより低い高度で飛ばすことが定められています。

ちなみに…

実は、150m以上でもドローンを飛ばせる場合があります。それは、150m以上の建物の場合です。150mを超えた外周から30mの範囲に関しては飛行が可能です。これは建物の点検としてドローンが多く使われるようになってきたことに起因する規制緩和です。

ただし、その建物の管理者や持ち主の承諾とその高い建物が人口集中地区にある場合は、その許可申請はもちろん必要です。

また、少し前に話題になった東京タワーでのFPVドローンの動画は外国人の飛行なのでおそらく申請せずに無断で行われたものだと思われます。https://www.instagram.com/fpvcinewhoop/reel/C7HEcBitTis/

無断でのドローン飛行は絶対に真似しないでください。

③人口集中地区(DID)の上空

人口集中地区とはDensely Inhabited Districtの略です。

人口集中地区とは定められた基準以上に人口密度がある地域を指します。ちなみに東京23区内は全てDIDの対象区域です。

人口集中地区は国勢調査において5年ごとに更新されます。(2023年4月現在は2020年度の国勢調査が最新です。)

上記の飛行禁止空域でドローンを飛行させるためには、国土交通大臣の許可が必要

です。

許可を受けずに飛行させた場合には、50万円以下の罰金が課せられることになります。

Ⅱ.「小型無人機等飛行禁止法について」

小型無人機等飛行禁止法とは…重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等(100g以下であっても禁止)の飛行に関する法律(警察庁が所管)です。

2015年に首相官邸にドローンが落下した事件を覚えているでしょうか?

ドローンというものを初めて認識したのがこの事件であるという人も多いのではないでしょうか?

当時はドローンに関する法規制がほとんどなかったため、この事件以降ドローンに関する法整備が進められたといえます。小型無人機等飛行禁止法もこの事件をきっかけに制定された法律の1つであるといえるでしょう。

小型無人機等飛行禁止法では、大きく3つの空域の飛行に許可が必要です。


④国の重要施設

以下は国の重要施設の例です。

国会議事堂、内閣鍾離大臣官邸、最高裁判所、皇居、危機管理行政機関の庁舎、

対象政党事務所、対象外国公館、対象防衛関係施設等です。


⑤対象となる重要な空港

すべての空港が対象となるわけではありませんが、全国にありますのでこの際に覚えておきましょう。現在対象となっている空港は全部で10あります。

対象空港

・新千歳空港(北海道)

・成田国際空港(千葉県)

・東京国際空港【羽田空港】(東京都)

・中部国際空港(愛知県)

・関西国際空港(大阪府)

・大阪国際空港【伊丹空港】(大阪府)

・福岡空港(福岡県)

・那覇空港(沖縄県)

・広島空港(広島県)

・長崎空港(長崎空港)


⑥原子力事業所

原子力事業所とは、全国にある原子力発電所をはじめ、高速増殖原型炉もんじゅや再処理事業所などの原子力関連施設のことを指します。

上記の飛行禁止空域でドローンを飛行させるためには、飛ばそうとする場所の地域を管轄する警察署へ飛行する48時間前までに通報する必要があります。

許可を受けずに飛行させた場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が課せられることになります。


3.ドローンを飛ばしてはいけない(許可申請関係なく)場所は?

ドローンを飛ばしてはいけない場所の代表として緊急用務空域というものがあります。

緊急用務空域とは、警察、消防活動等緊急で用務を行うための航空機の飛行が想定される場合に、無人航空機の飛行を原則禁止する空域のことです。

緊急用務空域では、空港等の周辺の空域、または人口集中地区の上空の飛行許可があっても飛行させることはできません。

緊急用務空域は国土交通省のHPやTwitterなどで随時公示されますので、ドローンを飛行させる際には飛行予定場所が緊急用務空域に指定されていないか確認するようにしましょう。


4.最後に

最近ではドローンがますます話題になってきているため、知識をつけずにドローンを飛行しようとする人がどんどん増加しています。ちゃんとした知識がないままでは、違法な飛行をした場合に重い罰則を背負ってしまうことがありますので、しっかり専門家に聞いた上で合法下で飛ばしましょう。

その一方で、ドローンの飛行に関する法整備が海外に比べて遅れをとっていることも事実です。ほんの一部のドローンパイロットが違法な飛行をすることによって、その度に法に縛られ肩身が狭い思いをするのはちゃんと法に則って飛行をしているドローンパイロットです。全ドローンパイロットが快適に飛行できる環境をみんなで作っていきましょう。

いかがでしょうか。ドローンを飛ばせる場所よりも飛ばせない場所の方が多いと感じたのではないでしょうか?

当スクールでは提携したドローン練習場での屋外講習もあり、不安な実機講習もしっかりとサポート致します。

安全にFPVドローンを飛ばしてみたい!本当にこの場所で飛ばしていいのか分からない…他にもドローンのこと知りたい!と考えている方は

是非スクールも検討してみてくださいね。

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